東京芸術劇場で、あるコーラスグループがプロオーケストラのクリスマスコンサートにコラボ出演しました。このグループの名は「ホワイトハンドコーラスNIPPON」。視覚や聴覚に障がいを抱える子どもや大人・障がいのない子どもも参加するユニークでインクルーシブな楽団です。
ホワイトハンドコーラスNIPPONは合唱の声隊と手話言語をベースに歌詞を「手歌」で歌うサイン隊の二つの部隊で編成されています。「この子どもたちに最高の舞台を経験させたい」と熱心に指導するのはソプラノ歌手コロンえりかさん。手話を交えユーモアたっぷりに子どもたちを導いています。そんな彼らがプロオーケストラ・合唱団と同じ舞台に立ちベートーヴェンの「第九」に挑戦。ベートーヴェンが晩年、耳が全く聞こえないながら書き上げた「第九(歓喜の歌)」を障がいを持った子どもたちが澄んだ声と「手歌」で歌ったのです。サイン隊の白い手袋から溢れ出る「歓喜の歌」はオーケストラや合唱とその場の感動を一緒に作り上げていました。
このドキュメンタリーはドイツ語の発音もままならないところから始まり、3カ月に及ぶ稽古、そして感動の本番までを記録した子どもたちによる挑戦の物語です。